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2017.07.06 Thursday

本漆での修理

by 鷲羽窯・わしゅうがま

何度も陶芸体験に来ていただいてるお客様が先日来られた際に、鷲羽窯で作ったカップを落としてしまって粉々に割れてしまったと話しておられました。直してまで大切に使うという気持ちが嬉しくて、次回持ってきていただければ修理しますよとお伝えしておりました。

 

先日そのお客様が持ってこられたので見せてもらうと、カップは大きく割れて取っ手もとれ、そのほか細かいパーツや欠損時見失ったパーツもありました。

 

まずは接着材で小さいパーツからくっつけていきます。乾燥後余分な接着剤をカッターなどでこそぎ落とし、欠けた箇所をモデリングペーストで埋めていき、これも乾燥後削ります。

 

そこまで終えたのが下の写真のカップです。残念ながら割れているところを写真に収めるのを忘れていました。。

色々やり方はあるのですが今回は接着剤でくっつけて表面は本漆を使い割れたところをコーティングしていくハイブリッドで直すことにしました。

以前私は本漆を甘く見ていて、筆を洗う時にこれくらいは大丈夫だろうと素手で筆先を洗いました。漆が手に着いたので石鹸をつけて手を洗うと漆が落ちるどころかどんどん手に広がってしましました。手は黒くなってしまいましたが一日目は特になにもなく大丈夫かなと思った矢先、2日目からかぶれがひどくなり、手も2倍に腫れて痒くて夜寝られないほどで1週間は苦しみました。その教訓から今回は最後まできっちりゴム手袋をしました。あんな思いは2度と御免です。

ひとまず完成。金箔を付ければ簡易金継となります。数をこなして慣れていこうと思います。

 

鷲羽窯の作品、鷲羽窯で陶芸体験していただいた方限定ですが、割れてしまったもの欠けてしまったという方がいらっしゃいましたら程度の軽いもの、漆までの修理を今なら(2017/9月までにお申し出ください)安価で修理いたしますのでご連絡ください。遠方の方は郵送でも大丈夫です。(送料はご負担ください)

 

2017.06.19 Monday

ようやく窯焚きを終え窯出ししました

by 鷲羽窯・わしゅうがま

窯焚きの後10日ほど自然に温度が下がるのを待って窯の蓋をあけました。

 

棚と棚との間の床に寝かせて置いてある作品はコロガシと言って作品の上で薪が燃えて変化の激しい模様になるのですが、薪を直接投げ込んでいくので動いていないか心配でした。

少しでも動いて隣の作品に触れたまま冷えると作品同士がくっついてしまうのですが、ほどんど動いておらず作品は無事でした。

置く場所によっては温度が上がらず焼けきれてない作品もあったのですが、全体的にみて焼けは上々です。

赤い線は藁を置いた後で自然釉もよくかかっています。

窯から作品を出していきます。世界に一つしかない作品です。慎重に慎重に。

サンドペーパーやグラインダーで磨きます。その後拭いて完成。

焼けてもまだまだ仕事はあります。半年間の作品が一気に焼きあがるので、体験に来て下さったお客様ごとに仕分けをして発送作業をしていきます。今回は海外からのお客様も増えたので国際郵便でも発送します。

 

体験にお越しくださったみなさまもうしばらくお待ちください!

2017.05.30 Tuesday

窯焚きに15歳の強力助っ人が来ました

by 鷲羽窯・わしゅうがま

角窯にガスを点火したのが5/26。それから徐々に温度を上げていき100°位で一旦キープして窯に残っている湿気をとっていきます。それから3日後にゆっくり300°まで上げてから薪に切り替えます。

 

今回の窯焚きはいつも頼んでいる方が都合が悪く、窯焚きできる人を探していたのですが「そーいえば、陣さんとこの息子さんの野遊くんもう窯焚きできるぐらい大きくなったんじゃね」と思いだし陣さんに連絡。野遊くんに聞いてもらったところ二つ返事でOK。今回の窯焚きを手伝ってくれることになりました。

 

そもそも陣さんというのは丸亀に住んでいる陶芸家で、自ら備前焼の窯を作ったり、廃材で家を建てたり、井戸掘ったり、ピザ窯、田んぼ。。。ありとあらゆることに挑戦し現代社会の固定概念をぶっ壊してくれるめっちゃ面白い方です。陶芸家だけでなく、イベントでピザやパスタなどを販売する出店や自給自足の足掛かりとなるような合宿などをされています。

 

陣さんのブログ   http://kadoya.ashita-sanuki.jp/

 

そんな陣さんにお願いした鷲羽窯の音楽イベントでは陣さん家族総出で石窯ピザやスウィーツなどの出店をしてもらいました。

 

 

もう6年も前の事です。鷲羽窯音楽祭    http://wasyugama.exblog.jp/12957035/  総勢150人ぐらいお客さんが来て大盛況でした。

 

その時野遊くんは9歳。ですが当時からバリバリ両親の手伝いをしていて陣さんが「めっちゃ助かる」と言っていたのをすごいなーと覚えていました。

 

陣さんのところは4人子供がいてホームスクーリングで子供を育てています。義務教育を含め行く行かないは子供本人が決めるというスタンスなので野遊くんは小学校3年生までは学校へいかず、4年生と6年生の時はよく学校へ行って5年生の時は行ったり行かなかったりだそうです。中学校は普通に行ってこの春卒業し、高校へは行かず家の手伝いをしたりして過ごしています。

読み書きや計算は両親が教えていて、興味があることは自ら勉強するそうです。

 

なにより両親についていろいろ手伝うので、すでに仕事がバリバリできます。陣さんの家はお風呂は五右衛門風呂で。料理を作るときもで調理します。

うちは温度が低いときは古い日本家屋の廃材や杉やひのきの端材をもらって燃やすのですが、釘を抜いたりしたいといけません。釘を抜くというのもコツがいっていろいろ説明しないといけないのですが、普段からやっている彼にしたら容易いことでした。

 

チェーンソウも使えるというので短くカットしてもらいました。

5日目は窯の温度が882度に。気温は31度まで上昇するとか!!窯の近くは40度から50度ぐらいにはなり、暑くて体力のいる仕事です。

窯焚きも陣さんについて幼いころからやっています。

僕も教えれることがあればどんどん教えて彼のいい経験になればと思っています。